昨今は骨盤矯正という言葉をネットや週刊誌で見ることが増えました。「骨盤矯正」とは、どのようなものなのか知っている方達は少ない。「骨盤矯正」はどのようなものか説明してみます。「骨盤矯正」のことを理解し間違い無い「骨盤矯正」を受けることができるようになります。

「骨盤」は、一対の腸骨とその間にある仙骨（せんこつ）、それと仙骨（せんこつ）の先につながる尾骨からなります。外科などの病院の治療は普通骨盤の治療はおこないません。なぜか、一般の病院では骨盤は歪まないと考えられていて、「骨盤」が日常生活で歪み、それが身体の異常の要因になってしまうことはないと考えているからなのです。（しかしある一部の病院で「骨盤」の調整を独自のやり方でやっている整形外科もわずかにあります）。例外になるものとしては、高い所から落下したり交通事故にあったりした場合のように強烈な負荷が骨盤に加わり骨盤の関節が大きく歪んだ時（骨盤の関節の脱臼、捻挫みたいなこと）、元の状態に戻すように「骨盤」を修正することがあります。この場合、外科手術で骨盤の矯正をすることが多い。また婦人科では、出産後に骨盤の関節のズレを治すように「骨盤」を閉めつけて固定するベルトのようなものをすすめる病院がある。

一般の医療では、骨盤はズレないとされていて整体などの手技療法では「骨盤」は歪むと考えていてどっちが正しいのでしょうか？答えを出す前に、どのような理由でそのような違いがでるのかを説明してみようと思います。まず、整体で言うところの「骨盤」がズレるというのは整形外科などでいう骨盤の関節の脱臼や捻挫なのどように、レントゲン写真などの画像で見て分かるような大きなズレは扱いません。

病院などの一般医療では、レントゲンなどの画像診断で見て分からないくらいの歪みは痛みなどの身体の不調の要因になりえないと考えます。他にも骨盤の可動性はわずかで例外的に出産の時に可動する程度。中年くらいになると仙骨と腸骨はほぼ癒着してしまうので骨盤は通常では動くことは無いと考えらているようです。

整体などで行う骨盤矯正では、常日頃から骨盤のほんの少しのズレを調整したあとに患部の症状が良くなるのを経験しています。事実骨盤の関節の周辺には筋肉、神経、靱帯などが存在し微妙なひずみでも靱帯、神経、筋肉を刺激する。レントゲンなどの写真でズレが写らない場合でも骨盤がひずんでいてそのズレを矯正する必要があると「整体」で考えるのはこの為です。

ズレた骨盤は、いろいろな不調などを肉体にもたらします。骨盤が歪むと骨盤に乗る背骨が湾曲します。脊椎がひずむと背骨の中を通る血管や神経、骨格を保持する靱帯や筋肉、全身の臓器に血液を送る血管に負荷がかかりこれらは、どれをとっても肉体にとってすごく重要なものでどれが侵されても筋肉や内臓に障害が起こるようになります。

背骨がズレると脊椎より出ている神経の機能が狂います。内臓の障害や運動器官の障害など体のさまざまな部分が神経の命令でコントロールされているので、すべての体の異常に関わってきます。

歪んだ体は、関節の動き、筋肉、靱帯に異常な負担がかかる為、慢性の凝りや痛みの原因になったり、運動能力の低下とかももたらします。

肉体のズレによって血管を圧迫してしまうことで、血行不良による「むくみ」や「冷え」などの要因になる。

手技療法による「整体」の「骨盤矯正」はおおくの場合手によってされます。矯正器具や矯正ベッドを使用する場合もあるようではあるが、一般には手技でおこないます。また、ベルトのような「骨盤」を固定する装具も使用する事もあるみたいです。一般的に調整の痛みをともなわないのが普通のようですが、中にはすごく強い力で無理に調整を行う方法を用いる整体師もいます。正常な骨盤の場合、「骨盤」の関節の動きはとても狭く大きく可動することはありません。この微妙な可動域を矯正により動かすので、通常は大きな力を使用することはないのです。

骨盤の仙腸関節は靱帯や筋肉で強く繋がっていますが、筋肉や靱帯などの柔らかさの範囲でしか骨盤の関節は動くことはできないのです。「「骨盤」が開いているから、骨盤を閉じれば骨盤が小さくなってお尻も小さくなってスタイルが良くなります」のようなことを雑誌、ネット、テレビで見ますが、騙されないように。骨盤にどんなに力を加えても見た目で分かるほどの動きはしない。このような広告をする整体は、「骨盤」の上に乗っかるなど強い力を加えて矯正します。すごく大きな力を加えれば見た目でも分かるくらい動くと考える方もいるようですが、目に見えて分かるほど動いた時は「骨盤」の関節を支える筋肉や靱帯の柔軟性の限度を超えてしまう為、靱帯や筋肉を損傷してしまいます。治療した後変わったと思う人もいるみたいですが気のせいのようなもので変ったような気がしているだけです。骨盤の仙骨と腸骨の関節に損傷がなければ（痛みとかが出なければ）、骨盤が目に見えて変化が自覚できるほど動いていることはないのです。かりに見た目で変化が分かるほど骨盤が動いたのであれば、仙骨と腸骨の関節の間の靱帯や筋肉は損傷しているはずであり、仙腸関節の痛みが出現しているはずです。

例外として骨盤が、普通異常に動くことがあります。それは出産する時です。出産する時は、ホルモンによって「骨盤」の関節がゆるみ骨盤が開くように動きやすくなる。出産時には恥骨の間が2㎝ほど開きますが、出産の時以外では「骨盤」の仙腸関節は柔軟性はない。出産の時でも決して大きく可動しない骨盤が外見で分かるほど矯正で大きく動くことは無い。歯列矯正のように数年にわたって常に力をかけるようなコルセットなどを使えばすこしずつですが動かしていくことは可能でよしょうが現実的に無理があります。

整体でおこなう「骨盤矯正」は、体形を変化させるものでなく肉体をバランスのとれた理想の状態に正すことが目的です。骨盤の関節は小さな歪みでも痛みを発することがあるし、「骨盤」の微妙な歪みが体全体を歪ませ健康に大きな影響を与えます。骨盤を整え体をバランスがとれた理想の状態に戻すことで健康を保ち凝りや痛みを治します。もしも「骨盤」がズレていると思うのであれば、「骨盤矯正」をやってみるのもいいでしょう。骨盤は体の基礎です。「骨盤」が傾けば脊椎が傾ていしまいます。健康な身体は姿勢から！整体の治療法はすごく有効な助けになります。